ビジネスの現場でよく耳にするOJTとは、通常の業務を通して新人を教育・訓練することを言います。上司や先輩社員が教える側となり、部下や新人に実践的な知識やスキルを伝えていくのです。研修だけでは実際の業務を行うスキルは身につきませんが、実践を通してノウハウを学ぶことで新人は早く成長できます。
OJTのルーツとなっているのは、第一次世界大戦中のアメリカ軍隊です。膨大な数の軍人を育成するために誕生した育成法で、「やってみせる(Show)」「説明する(Tell)」「やらせてみる(Do)」「確認・追加指導(Check)」の4段階からなります。この4つ段階は、OJTを進めるうえでは現代でも基本的な進め方です。
まず1つ目の「やってみる」は、上司や先輩が簡単な業務を行ってみせます。2つ目の段階の「説明する」は、新人の前で行った業務の説明です。その業務を行う理由、業務のコツやノウハウなどをわかりやすく伝えます。
そして、「やらせてみる」が3つ目の段階です。先輩や上司がやってみせたことを、今度は実際に新人にやらせてみます。しっかり理解できているか、どの程度把握できているかがわかります。最後の段階が「確認・追加指導」です。業務が行えたかを確認し、さらに改善点があれば伝えます。このような進め方でOJTを実践することで、教える側と教えられる側との間に信頼関係や協調性が生まれ、業務を行うために必要な職場の人間関係を築くことができます。